匿名医師ブログ

こんにちは!匿名医師です、現役医師(専門医取得済)による日記です。一般の方からの質問に答えているのでちょっとずつ載せていきます。http://www.freelifedoctor.com/ よろしくお願いいたします!

サプリメントの罠!2019年8月に国が行った衝撃の試験結果!

サプリメントの落とし穴!


「先生はサプリメント飲んでいますか?」

という質問を受けたりします。


プロテイン、ペプチド、BCAA、グルタミン、マルチビタミンやミネラルなど様々なサプリメントを摂取している方がいますが、答えからいうと、食事による栄養摂取が基本です。


ボディービルダーになるなら話は別ですが、必要な栄養は食事で賄える時代です。


サプリメントの使い方の例としては、トレーニングをハードに追い込むため、食事で賄いきれないものを補給したりする方法です。

自重トレーニングであれば食事で十分です。

食材から栄養素を摂取することが生き物としての基本!
食事を考えるのが面倒だったりとりあえずサプリをなんて考えているのであれば、その心がまずダメ!

うたわれている効果・効能は魅力的に聞こえますが、目的が栄養であれば食事で十分です。

何度も言いますが、食材から栄養素を摂取することが生き物としての基本スタイル!

食事を経て、足りない分を補う役目こそが、サプリメント本来の役割。

あれこれ頭を悩ます前に、動物・植物を食らいなさい!

 

 

では、ここでサプリメントについてもう少し細かく説明します。

サプリメントは食品に位置付けられます。

成分表示の規格基準がある栄養機能食品や、届け出制の機能性表示食品もありますが、製法に医薬品のような厳密な規定はなく、国の販売承認も要りません。

2000年に厚生省(当時)が薬剤の形状に関する規制を緩和し、薬に似た形の食品製造を容認したことで、錠剤やカプセル型のサプリが広がってきました。

しかし、サプリは外見上、薬のようであるため、医薬品と同じような品質管理をされていると勘違いする消費者も多い。

多くの人が、サプリは『厳格に製造され品質が安定している』というイメージを持っているというデータもあります。

それは大きな勘違いで、物によっては胃酸などで溶けないでそのまま便から排泄されるサプリもあります。

どういうことかというと、そういったサプリは食道を通ってすぐに胃に到達し、胃液の中に1時間程度浮かぶ。
胃液に含まれる胃酸で溶けなかったサプリが次に移動するのは小腸。
小腸では、アルカリ性の消化液が分泌され、サプリは最終的には溶けて体内で吸収されるはずである。
しかし、この段階でも錠剤の形を保ったままのサプリがある。

そのまま大腸に進み、体内を移動し、便と一緒に排泄される。
垂れ流しで効果は全くありません。
市販されているサプリのなかには、そういう粗悪品もあるのです。

 

そんな衝撃的な事実が、2019年8月1日に発表された国民生活センターの「錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査」で判明しました。


調査の対象となったのは、市販されているサプリ100商品。

まず、「マルチビタミン」、「GABA」、「グルコサミン」、「コエンザイムQ8」、「乳酸菌類」などの10ジャンルに分けられました。

そこからドラッグストアの店頭や、ネット通販で買えるサプリとして、各ジャンル10品目が選ばれました。

 

そこで今回はサプリがどんな品質かを調べることになりました。
まず行われたのが、サプリが体内で溶けるかの調査です。

そのために、「崩壊試験法」という方法が採用されました。


「これは本来、薬が胃や消化管で溶けるかを調べる試験です。胃酸や消化液を再現した液体に薬を入れ、30分、1時間など規定の時間が経ってから、溶けているかを見ます」(日本薬科大学特任教授)


そもそも薬は、崩壊試験法などの試験に合格をして初めて、薬として認められる。これは、薬を管理する基準書『日本薬局方』に記されています。

医薬品の場合は、成分をそのまま固めた素錠は30分以内、糖などで覆ったコーティング錠は60分以内、カプセルは20分以内に、水に溶けなければならないとの規格基準があります。


しかし、国民生活センターが、先のサプリ100商品でそのテストをしたところ、100製品中42製品はその時間内に溶けず、特に素錠は26製品の過半数の14製品が溶けませんでした!

また、使いかけの64製品のテストでは半数が規定時間内に溶けず、未開封品より成績がやや悪くなっています。

分かりますか?垂れ流しが42商品。。。

驚きの結果です!!!


サプリは『食品』の緩い基準で作られているため、ここまで厳しい検査をしていないものいが多いのです。
また、サプリ特有の事情もあります。


「薬は1個ずつ包装されますが、サプリは数十個を同じ容器に入れます。輸送時に欠けたり割れたりしないよう固めに作るので、溶けにくい製品ができてしまうのです」(サプリメーカー関係者)


4割のサプリが溶けないというこの結果は、何を意味するのだろうか。
サプリが効いていないということ。

サプリが溶けないで、そのまま体内から出ていけば、有効成分は吸収されることもなく、無意味!
体内で溶けず、効かない可能性が高いサプリが4割以上あるということだ。

ならば、その商品名を知っておきたいところだが、国民生活センターは商品名を明らかにしない方針だという。
そこである雑誌は、国民生活センターが行った試験に準じたやり方で、サプリが溶けるかを実験しています。

用意したのは、体温に近い40℃まで温めたお酢と耐熱の容器。

これで、胃でサプリが溶ける状況を再現できる。

ここにサプリを入れ、10分ごとにかき混ぜながら3分待つ。
比較のために、サプリではなく市販薬でもこのテストを行った。
ロキソニンS」「イブA錠」「ガスター10」で試したところ、どれも5分ほどで溶け始め、8分後には完全に粉々になった。
さて、いよいよサプリの番。実験するサプリは、国民生活センターの試験の対象となった10ジャンル100商品の中から、Amazonの売れ筋ランキングを元に上位3つずつ、計30商品を選んだ。


お酢につけてすぐに溶け始めたのは、「ネイチヤーメイドマルチビタミン」だ。1㎝弱の大きめの粒が粉々になっていく。「GABA」も、すぐに外側のカプセルが破れ、中身の粉末がお酢の中に溶ける。これらは、溶けやすいサプリだと言っていいだろう。
溶けないものが目立ったのは、「ディアナチュラ」シリーズや「HMB」のような錠剤だ。

外観は薬の錠剤とほぼ同じだが、8分たってもほとんど成分が溶けださず、ピンセットでつまめるほど固形を維持しているものもあった。
事実、国民生活センターの調査でも、原料を固めた錠剤(素錠)が最も溶けにくいという結果が出ていた。

 

たとえばハードカプセルでは溶けなかった割合が15%だったが、錠剤では54%と、平均より高くなっている。
まとめると、実験では、46%のサプリが「溶けない」という結果が出た。

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この実験も国民生活センターの試験も、体内の状況を完璧に再現できるわけではないため、本当に体内でサプリが溶けるか溶けないかは断言できないが、どちらの調べでも溶けないという結果が出ている以上、体内で溶けず出ていくサプリは確実にあるだろう。
企業によっては自社で独自の調査をしているところもある。
さらに、効くと信じている商品のパッケージに表示された有効成分の量すらも、実は怪しいことが分かっている。
国民生活センターの調査では、「HMB」で、表示された量の7割しか機能性成分が入っていない商品が見つかった。

また、「GABA」と「ルテイン」では、商品の表示の2倍以上の成分が含まれている商品もあった。
実は、サプリの成分が多すぎるのも問題。
たとえばルテインには、石油を原料とした合成ルテインを成分とするものもあり、過剰摂取をすると、目の痒みや腫れ、咳、喘息などの症状が起こる危険性がある。
では、玉石混交の中から、どうやって効くサプリを選べばいいのか。
まず、GMP認証を確認する方法がある。

 

GMP認証は工場ごとに、「製品が安全に作られ、一定の品質が保たれている」ということを証明するものです。

手のひらの上にハートが乗った「GMPマーク」が目印だ。マークがない商品も多いが、各メーカーのホームページでも確認ができます。
商品の原材料名を確認するのも有効。


「原材料名は、成分が多い順に並んでいます。先頭に来るのが、サプリの主成分ではなく、小麦粉や増粘剤など、サプリを固める副材料だと、効きにくい可能性が高いのです」とのこと。
用法や使用期限を守るのは当然だが、値段や宣伝文句に惑わされず、そのサプリが本当に効果があるか、見極めることも重要。

実に4割ものサプリが溶けないという今回の調査は、そのことを如実に物語っている。

 

 

また、若年成人はビタミン剤を摂取してもほぼ問題ないことが多いですが、減量や筋肉増強、活力増進などの効果を謳ったサプリメントを摂取すると、重篤な健康問題につながる危険性があることが、米ハーバード大学の研究で明らかになっています。

研究の詳細は「Journal of Adolescent Health」6月5日オンライン版に掲載されました。

2004年1月~2015年4月の0~25歳の子どもから若年成人におけるサプリメント製品による健康被害の報告例について調査。ビタミン剤に関する報告例と比較検討。

その結果、期間中に合計で977件のサプリメント摂取に関連した健康被害が報告され、このうち40%は重篤健康被害を引き起こしていました。

解析の結果、減量や筋肉増強、活力増進などの効果を謳ったサプリメントの摂取は、ビタミン剤を摂取した場合と比べて、重篤健康被害を引き起こすリスクが約3倍に上っていたのです。

さらに、性機能の向上や腸内洗浄を目的としたサプリメントの摂取は、ビタミン剤に比べてそのリスクは約2倍!

 

「信頼できる医師であれば、減量効果や筋肉増強効果を謳うタイプのサプリメントは処方しません!」

 

こうしたサプリメントには、品質の悪い医薬品成分や禁止薬物、重金属、殺虫剤といった危険な化学物質が混入し、安全面が危惧される製品が多くみられます。

また、これらのサプリメント脳卒中や精巣がん、肝障害、死亡と関連することを示した研究も報告されています。

皆さまご注意くださいね!

 

そして、世の中健康食品とかいっぱいあるけども、まず悪い習慣見直してみませんか?

喫煙→百害あって一利なし

高塩分食→高血圧になるので減塩を

早食い→しっかりゆっくり噛む

医学的にはこれをやめるだけでもかなりの効果は期待できます。

節制にもつながるしいいことしかないですよー!

 

医学的に根拠が乏しい食事療法は健康被害を生みます。

例えば、ニキビに対する食事療法は医学的に根拠があるものは現時点ではまだないのです。

ニキビに関して低GI食、魚、野菜が効果あり、チョコレート、ミルクなどが悪化させるという報告はありますが、その程度です。

極端な食事制限は危険ですよ。

 

 

女性に関していうと、若さを保つには、肌や骨などの老化の原因となるAGE(終末糖化産物)を増やさないことが大事です!

高温で調理すればするほどAGEは増加します。

つまり、生<煮る<蒸す<焼く<揚げるの順に増加します。

という事で、実は生が1番なのです。

ただ食中毒には気をつけてください。

 

ちなみに、コラーゲンは「タンパク質」の一種です。

人体の中で最も多いタンパク質がコラーゲンです。

皮膚の下にある「真皮」に豊富に含まれ肌の弾力を生みだしています。

老化によってコラーゲンの合成量が減るとしわがふえる原因になります。

 

「コラーゲンを塗ったり食べたりって効果あるの?」

コラーゲンは骨や軟骨にも多く含まれていて、血管や臓器などにも存在していてゼリー、煮こごり、手羽先、牛すじなどにも多く含まれています。

コラーゲンを含む化粧品もありますが、皮膚に塗ることによる保湿効果は期待できてもコラーゲン自体が皮膚の表面から吸収されることはないようです。

 

「コラーゲンを含む食品を食べると?」

その食べたコラーゲンが体内でそのまま再利用されることはない。

消化でバラバラにされアミノ酸の形で血中に入りタンパク質が合成されます。

コラーゲンを作るアミノ酸は他の食材からでも摂取可。

コラーゲンを多く含む食品を食べてもあまり意味はないようです。

 

そして、ビタミンやミネラルがが不足するとさまざまな体調不良があらわれます。

たとえばビタミンB1は炭水化物からエネルギーをとりだすのに必要なので、不足すると疲れやすくなったり、長期にわたって不足すると足に浮腫みができたり痺れたりします。

「そういう時はサプリメントビタミンB1をとればいいの?」

そうではなく、食事全体を見直しその上でマルチビタミンマルチミネラルなど複数のビタミンやミネラルが含まれているものを摂取して全体的に底上げします。

食事と一緒にとって、食事に含まれるビタミンやミネラルもいっしょに効率的に吸収させるとよいでしょう。

 

「逆にサプリの害はあるの?」

サプリメント過剰症。

ビタミンCなど水溶性ビタミンは尿として排出されやすいので過剰症はあまりおきません。

一方脂溶性ビタミンは肝臓などに蓄積されやすく過剰症となる場合があります。

ミネラルにも過剰症はあり鉄不足を補うため鉄のサプリを大量に摂取すると胃腸障害を引きおこす事がありますよ。

 

 

サプリメントを摂取する際はその必要性があるのかどうか、しっかり吟味してからにしましょう。

下手なサプリメント摂取は弊害しかありません。

 

食事摂取が基本中の基本です!

 

 

我々医師もサプリには悩まされています。

以下は雑誌にもあった参照例です。

 

症例①
Aさんは、血圧が高いため半年前から病院に通い始めた。
「上が170~180あったので、近所の病院で、降圧剤のカルシウム拮抗薬(アムロジピン)を処方してもらっていました。ある時、友人に「最近、血圧が高くて..…」と相談したところ、魚の脂肪を原料にした「DHA&EPA」のサプリを勧められました。なんでも、血流をよくしたうえで血圧も下げてくれると言うので、飲み始めたのです」


医者には、このサプリを飲んでいることを伝えていなかったが、病院で血圧を測ると130まで下がっていた。医者からも「順調ですね」と言われ、Aさんも喜んだ。
しばらくすると、検査結果が良かったことに安堵したAさんは、サプリを飲むのをやめてしまった。
再び病院で血圧を測定すると、血圧が元に戻っていた。サプリをやめたせいかと直感したものの、こっそりサプリを服用していたことをAさんは医者に打ち明けられなかった。
医者は、効いたはずの薬がなぜ効かなくなったのか首を傾げるばかり。
降圧剤(アムロジピン)の用量を増やすことにした。
すると今度は、血圧が下がりすぎ、めまいが頻発するようになった。そこで医者が食生活などを細かく聞いたところ、ようやくサプリを飲んでいることが分かった。
実は、血圧がまた上がったことに落胆したAさんは、再びDHA&EPAのサプリをそれまで
の倍の量を飲んでいた。
それが薬の効果と相まって、必要以上に血圧を低下させていたのだ。

「患者さんがサプリメントを自己判断で飲んでいる場合、それを医者側にも伝えてもらえないと正確な判断ができません。サプリは、処方薬の効果を弱めてしまったり、逆に必要以上に効果を強めてしまったりすることもある。患者さんから申告してもらわないと、なんで数値が下がったり上がったりするのか分からず、医者がものすごいミスジャッジをしてしまうこともあり得るのです」とのこと。


内閣府の調査によると、日本人全体の実に約5割の人が2種類以上のサプリを利用している!
さらに2種類以上のサプリを利用している人の約7割は、ほぼ毎日サプリを服用しているのです!


高齢者の多くは、持病を抱え生活習慣病などの薬を複数飲んでいる。だが、自分が飲んでいるサプリの種類や数を担当医にきちんと伝えている人は驚くほど少ない。
冒頭のAさんも、別に悪気があって、サプリを内緒で飲んでいたわけではない。単に「サプリは健康にいいから」、「サプリは薬じゃないから、わざわざ言うことはない」と思っていたにすぎない。
だが、それは大きな間違い。
サプリ単剤であれば問題なくとも、薬と併用することで、さまざまな相互作用が起きる。自分がどんなサプリを飲んでいるかを自ら申告しないと、それは命にかかわる。
たかがサプリと思っていると、死ぬことだってあるのだ。
しかし、多くの医者は、患者がどんなサプリを飲んでいるのかをほとんど把握していない。
医者のほうからわざわざ『あなたはサプリを飲んでいますか?』と聞くことは滅多にありません。なかには、患者さんがちゃんと申告しても、医者もサプリと薬の相互作用をすべて把握しているわけではないので、『まあサプリだから、大丈夫でしょう』と、特に気に留めない医者も多い。
その小さな歪みが、やがて大きな間違いにつながる。


冒頭に紹介した「DHA」や「EPA」のように、血圧を低下させるサプリは数多い。

たとえば「コエンザイムQ10」、「GABA(ギャバ)」、「アルギニン」、「クロレラ」などもそうだ。
一方で体脂肪燃焼や胃腸の働きをよくする「カンゾウ(甘草)」のサプリには、血圧を上昇させる作用がある。薬とサプリの併用は、血圧をコロコロと上下に変動させてしまうのだ。
併用しているサプリを医者に伝えていない場合、数値の変化の要因がサプリにあるのか、薬にあるのか担当医が見抜くのは至難の業。

原因が分からないので、治療法を間違ってしまい、治る病気も治らなくなる。
血圧だけでなく、血中のカリウム数値を変化させるサプリもある。

カリウムを多く含む「クロレラ」や「青汁」を、カリウム代謝を抑制する降圧剤のARB(ディオバンなど)と併用すると、体内にカリウムが溜まりすぎる。高カリウム血症になれば、手足の痙撃や、不整脈、失神などの症状が現れてくる。
だが、患者がサプリを飲んでいることを黙っていた場合、カリウムの数値が薬のせいで上がっているのか、それともほかに原因があるのか、医者は混乱する。結果、高力リウム血症によって、患者が倒れるまで気付かないことも十分あり得る。

尿酸が体内に溜まり、関節痛を引き起こす痛風
痛風の治療薬(ザイロリックなど)と身体機能の維持に欠かせないビタミンの「ナイアシン」を同時に摂取すると尿酸値が変化する。
ナイアシンを独自に飲んでいる方は、尿酸値が高くなりがち。それを申告しない限り、医者はもともと尿酸値が高めなのだと勘違いし、本来は必要もない尿酸値を下げるザイロリックを処方されることもある。

 

症例②
コレステロールの薬(メバロチン)しか飲んでいないのに、なぜか肝臓のγ-GTP値が異常に高くなっている男性患者がいた。

その原因は「グルコサミン」や「コンドロイチン」などの関節痛に効くサプリにあった。これらが肝臓での薬の排出を妨げていたのだ。
自己判断で服用を続けた結果、医師が気付いたときには、薬剤性肝炎を引き起こしていたという。
サプリメントと処方薬の相互作用は無数にある。まだまだ未知数の部分も多い。特に3種類以上のサプリは相互作用が起きやすく、肝障害になりやすいので、必ず医師に伝えるべき。

薬が効きすぎていると勘違いして治療を中断、前より悪化することもある。
たとえば血圧や血糖値で、予想以上に数値が下がりすぎれば、医者はまず薬の効きすぎを疑う。薬の種類を替えたり、量を減らして様子を見ようとする。場合によっては一旦薬をやめることもあるかもしれない。
特に高齢者の薬の飲みすぎが問題になっている昨今、賢明な判断だ。

 

症例③
ある30代女性の糖尿病患者は血糖値が下がりすぎていた。

そこで担当医は、糖尿病薬(SU薬のアマリール)が効きすぎていると思い、薬を一旦やめさせて様子をみることにした。

低血糖になるとふらつきが起きて、転倒の恐れがあったためだ。
ところが、しばらくして、その患者を診察すると、血糖値が薬を飲み始める前よりもさらに悪化していたのである。
よくよく聞いたところ、実はその患者は、便秘改善のため「マグネシウム」を含んだサプリを毎日飲んでいた。そのマグネシウムが糖尿病薬の吸収を促進し、血糖値を下げすぎていたのだ。見直すべきはサプリのほうで、治療をやめてはいけなかったのに、そうとは知らない医者の勘違いにより、治療を中断した結果、糖尿病が悪化し、失明の危険性も出てきたのです。


近年、老人性うつに悩む人も増えている。そのため、脳の血流をよくする「セントジョーンズワート」や「イチョウ葉」などのハーブ系のサプリを摂っている人も多いが、これは、非常に悩ましい問題だという。
実はサプリメントが最も影響を与えるのが「脳」。

イチョウ葉」などのサプリは、確かにうつ病への効果が認められている。
ただし一方で、抗うつ剤と併用した場合の影響も大きい。抗うつ薬は、脳内のセロトニンドーパミン、アドレナリンを増やしたり、減らしたりするものがほとんど。
早く良くなりたいからと、患者が医者に内緒でセロトニンを増やすハーブ系のサプリを摂取してしまうと、結果的に体内のセロトニン値が上がり、「セロトニン症候群」になることがある。
不安や体の震えなどの症状が出る。
サプリとの併用を知らずに、薬が効きすぎていると勘違いして、そこで治療をやめてしまえば、余計にうつが悪化するケースはままある。
薬の効果がないと思って、医者がさらに強い薬を出してしまう。
サプリが薬の効果を打ち消すこともある。しかし、医者がサプリの服用を知らなければ、悲劇が生まれる。

 

症例④
骨粗鬆症と診断されて、薬を飲んでいました。同時に少しでも骨を強くしようと「カルシウム」のサプリや、カルシウム入りの食品も積極的に摂り始めたのです」
こう語るのはBさん。
ところが薬をちゃんとら飲んでいるのに、骨密度を検査しても一向に改善が見られない。その原因は、彼女が飲んでいた骨粗鬆症薬のビスホスホネート製剤(フォサマック)にあった。
ビスホスホネート製剤は骨に蓄えられたカルシウムが排出されるのを防ぐ薬だが、カルシウムを含んだサプリと一緒に摂ると、薬が吸収されず尿や便と共に体外に排出されるため、効果がなくなってしまう。
だが、担当医はBさんがカルシウムのサプリを摂取していることを知らない。そこでより直接的に患部に薬剤を注入する皮下注射(テリボン)に変更。これまで出たことのなかった狭心症の副作用が出てしまったという。

 


エビやカニの色素を元にして作られている「アスタキサンチン」は、抗酸化作用サプリの代表例だ。
だが、PPIと呼ばれる胃薬(オメプラールなど)と同時に服用すると、肝臓の代謝作用を促進するため、薬の効果が弱まる。
いつまでたっても患者が胃の不快感を訴えるので、PPIの中でもより強いタケキャブが投与される。タケキャブを長期間飲み続けると、胃がんのリスクが上昇するとの指摘もある。

 

症例⑤
また、動脈硬化生活習慣病を防ぐとされる「ビタミンE」。
摂りすぎると、睡眠薬の効果を弱めてしまうデメリットもある。
Cさんもその一人だった。
「依存性の弱い、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬(マイスリー)を飲んでいたのですが、効果を感じにくかったのです」
医師に睡眠薬を飲んでも眠れないと訴えたところ、効果も強いが依存性もあるベンゾジアゼピン系の長時間作用型のダルメートを処方された。
「副作用が心配なので、やめたいのですが、耐性ができてしまったのか、睡眠薬がないと眠れない身体になってしまいました。まさかサプリがきっかけでこんなことになる
とは……」
こうなっては、サプリをやめたところで身体は元に戻らない。


思わぬ副作用で別の病気と誤診、多剤服用「死のループ」


サプリと薬を一緒に飲むと、サプリが薬の副作用まで増強することがある。

それを診た医者は他の病気が発症したと誤診する。

そして別の薬が処方される。多剤となれば当然副作用も増える。最後は薬で死亡してしまう可能性すらあるのだ。


症例⑥

腰痛を患っていた20代の男性は、日ごろから鎮痛剤のイブプロフェンに加え、蜜蜂由来のサプリ「プロポリス」を併用してきた。プロポリスには、特定の医薬品の代謝を抑制する作用がある。そのため薬が抜けきらず、イププロフェンの副作用である吐き気や発疹、全身の倦怠感が強くなった。
かかりつけ医からは、うつ病の可能性を指摘され、追加で抗不安薬が処方された。
男性は言われるままに薬を飲んでいたが、身体のだるさは改善されなかった。大学病院を訪れたところ「なにか飲んでいるサプリはありますか」と医者から尋ねられ、ようやく原因が判明。事なきを得たが、あのままだと別の病気にされ、次々と薬を飲まされているところだったという。


ビタミンD」と降圧剤のサイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド)を併用すると、心房細動や不整脈が起こることがある。これは両剤にカルシウムを増量させる効果があるためだ。血液中のカルシウム濃度が高くなると心臓に負担がかかる。
医者は患者がビタミンDを普段から摂取していることを知らなければ、単に心臓病が発症したと勘違いするだろう。そして狭心症薬や抗血栓薬を投与する。だが、症状は回復しない。ビタミンDという原因に気付けない限り、患者は次から次へと薬を試され、多剤併用、死のループへと突入することになるのだ。
間違っても、医者に黙ってサプリを飲み続けることだけは避けたい。


いかがでしたか?

長くなりましたが、サプリの危険性、お分かりいただけたでしょうか?

 

サプリにお金をかけている暇があったら良質な食事にお金をかけてください。

 

ではまたー!