匿名医師ブログ

こんにちは!匿名医師です、現役医師(専門医取得済)による日記です。一般の方からの質問に答えているのでちょっとずつ載せていきます。http://www.freelifedoctor.com/ よろしくお願いいたします!

ブラックジャックで学ぶこと。第3章 妥協しない!

第3章  妥協しない

①昔から持っているものが捨てづらいように「いつものやり方・考え方」は変えづらいもの。
それを変えることは、今までの自分を否定することにもなるからです。
ソ連のメンゲロフ先生を手術したブラック・ジャックは、手術代を受け取る代わりに、先生の研究を見せてほしいと伝えます。
自分のやり方に固執せず、常に新しいやり方を探っていたのです。
「いつものやり方」に頼ると老ける!
こだわりから離れ、定期的に初心を持たざるをえない環境へ飛び込むこと。
「変わり続けよう」と思えば、常に学ぶ姿勢が身につき、謙虚になるもの。
手塚治虫は、こんな言葉を残しています。
「私は何度も何度も転向してきた」
「僕はいつも新しいことをやっていないと気がすまない」
やりやすい方法や、居心地のいい場所に浸らないこと。
結果を出し続けられる人とは、「能力がある人」ではなく「変わり続ける人」だ。

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②量が少なくても、質が良くて評価されるものがあります。
しかしそれは、結果的に表に見える量が少ないだけで、その裏には数え切れないほどの失敗や、気の遠くなるような作業がある。
結局、仕事における「質」は「量」が生むのです。
「量より質」はたいてい嘘!
ブラック・ジャックは、実に様々な手術を経験しています。
自分で自分を手術したり、雷の鳴る山の中で手術をしたり、獣医でもないのにたくさんの動物を治療したり……。
他の人にはない突き抜けた経験量が、突き抜けた質を生んでいるのです。
手塚治虫も、8年の生涯で約4万ページのマンガを描いています。
マンガ家生活40年で考えると、1日平均約10ページ。
他にもアニメ、エッセイ、講演など、圧倒的な量をこなしていたのです。
「量より質」の意味を、都合よく解釈してさぼらないこと。
結果を出し続けている人で、量をこなしていない人はいない。
質は絶対、量が生むのだ。

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③苦労が徒労で終わるような作業を毎日続けていると、周りを批判したり愚痴を言うことで自分を肯定したくなってしまいます。
そうなる前に、「自分のやりたい作業」と、
「周りから求められる作業」の接点を探すことが大切です。
「やりたい作業」を仕事にする!
指が自由に動かせなくなる症状が出たまま手術に向かうことになったブラック・ジャックは、心配するピノコにこんな言葉を残しています。
「私はな、切るだけが人生の男なんだ」
彼は「手術で人を救う」という作業が、「自分のやりたい作業」であり「周りから求められる作業」だと自覚していたのです。
手塚治虫も、こんなことばを残しています。
「ほんのわずかでも自分の時間なのだから、
一番やりたいことをしなければいけない」
時間を忘れるほど没頭できる作業を1つ見つけ、それが「周りにどう役立つか」を考えよう。
自分の「やりたい」と相手の「やってほしい」を同化するのだ!

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④条件に不満があるのに依頼を受けてしまうと、モチベーションが上がらないまま作業が続いてしまいます。
やっと作業が終わっても、次に来るのはまた同じような依頼ばかり。
ネガティブな時間を減らすために、時には最初に決裂する覚悟も必要です。
「自分の安売り」が不幸の始まり!
別の医師になりすまして手術することを依頼されたブラック・ジャック
彼は5万ドルを請求し、断られるとその場を立ち去ろうとしました。
別の医師の演技をすることのリスクなどを考えると、「150万ドル以下では納得できない」と考えたからです。
仕事を受ける時、相手の提示が不当だと感じたら、断る勇気を持つこと。
長期的な目で見れば、嫌々やって負のスパイラルを作るより、最初に断って別の手段を見つけるほうがいいのです。
一度「嫌々やる」と、作業が終わった時には
「嫌々やり続ける」環境ができあがってしまう。
「自分の安売り」が、「振り回されるきっかけ」を作るのだ。

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⑤会社や担当者によって、金銭感覚や払える額は違います。
どこが稼ぎどころか、誰から稼ぐべきかをしっかり見極め、もらえるところからしっかりもらうことが大切です。
ブラック・ジャックは、大統領夫人に5億円を請求することもあれば、お金のない患者には1円も請求しないこともありました。
相手に合わせて柔軟に変えていたのです。
「持つ者」にはとことん請求!
みんなに同じ対価を求めるのではなく、稼ぎどころに狙いを定め、全力で攻めること。
しっかり稼ぐ仕事、対価が少なくてもやりがいを感じる仕事、その使い分けができると、仕事はうまく回り出します。
自分を貫ける人は、稼ぎどころでしっかり稼ぐ人。相手に合わせて請求額 (仕事の対価)を変えること。
対価の基準は、自分の作業量ではなく相手の支払い能力だ。

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⑥会社がお金を出してくれる研修には身が入らず、自分で払う必要のない仕事道具には愛着がわかないもの。
そんな時は思い切って、自腹を切ってみるのも手段の1つです。
ブラック・ジャックは、メスの修理に1000万円を支払っています。
大金を稼ぐだけでなく、仕事道具にも大金を注いでいるのです。
「自腹を切る」と覚悟が生まれる!
自分で買ったものを使うからこそ、モチベーションも上がり、自費でスキルアップするからこそ、身につけようと必死になるもの。
次の仕事のために、時には自分のお金を投資してみましょう。
手塚治虫も、こんな言葉を残しています。
「稼ぐのは次の仕事のためだと思っているから稼いだだけ全部使ってしまう」
使う道具やスキルアップのために、お金をケチらないこと。
注いだお金に見合う結果を出したくなるよう、自分で自分をポジティブに追い込むのだ。

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⑦ごまかしたり、だましたり、悪いことに加担するとその場ではうまくいっても、時間が経てば経つほど気まずくなるもの。
それはお金についても一緒です。
コインロッカーで弱っている赤ちゃんを見つけた女子高生から、赤ちゃんの治療を依頼されたブラック・ジャック
彼女は診察料として家の金庫から大金を持ってきましたが、ブラック・ジャックはそのお金を受け取りませんでした。
汚れたお金には手を出さなかったのです。
「不当なお金」は断固拒否!
「受け取るのは間違っている」と思うお金は、断固拒否すること。
汚れたお金、気まずいお金を一度受け取ってしまえば、それからずっと負い目を感じながら働くことになってしまいます。
悪いお金は、悪い縁を引き寄せる。
自分のお金のサイクルは、自分できちんと守ること。
後味の悪いお金を受け取って、最後に損をするのは自分だ。

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⑧肩書きは、相手を安心させる道具として有効です。
しかし、いつの間にか肩書きに頼り切り、自分も安心していないでしょうか。
ブラック・ジャックは、肩書きや名誉を心の底から嫌っていました。
肩書き重視の人とは距離を置き、常に「手術力」で勝負していたのです。
「肩書き」「手抜き」は隣合わせ!
肩書きや名誉に固執すればするほど、中身はスカスカになってしまいます。
考え抜く。気を配る。作り抜く。やり続ける。
その繰り返しでしか、自分を貫いて働くことはできないのです。
手塚治虫は、こんな言葉を残しています。
「人間の偉いとか、偉くないなんていうのは、本人が持っている心の広さとか腕とか、そういうことで決まるのであって、それは肩書きには入らないのです」
「肩書き」という看板に寄りかかるのは今すぐやめよう。
会社を離れた時、役職がなくなった時、何も残らない自分に絶望するだけだ。

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⑨人の意見に従うのは大変だと思われがちですが、本当に大変なのは、リスクを負って決断する人。
決断するまでに様々な意見に揉まれるだけでなく、失敗すれば批判の嵐にさらされてしまうからです。
ブラック・ジャックは、ハイリスクな手術をすることを批判された際、「あなたがたはカケてはいないのかっ」と反論し、こう言い放っています。
「人間が人間のからだをなおすのは、カケるしかないでしょう」
「リスク」がないのは平凡な仕事!
努力によってできるのは、「成功する確率を上げること」だけ。
「100%の成功」なんてありえません。
徹底的に準備した後は、リスクを負って、自信を持って勝負に出ましょう。
リスクとは、挑戦者にだけ与えられる特権なのですから。
「絶対成功する」と思える仕事は、誰でもできる仕事。
リスクを負うことでしか、大きな成果は手に入らない。

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⑩小さな作業が終わるたび、特に見たいものがあるわけでもないのに、なんとなくネットを見たりスマホを手にしてしまう。
それでは作業がはかどるはずがありません。
ブラック・ジャックの集中力は、すさまじいものがあります。
「治療は自分も命がけ」と考え、手術に没頭し、終わったとたん、電池が切れたように爆睡するのです。
「集中力」は自分で作れる!
彼はど作業に集中できている人は少ないはず。
本気で作業に集中したい時は、事前にネットを遮断したり、スマホをカバンに入れるなど、不要な情報から圏外になること。
集中する前に、集中する環境を整えることが大切なのです。
集中せざるをえない環境に、自分で自分を追い込むこと。
仕事の能力はすぐには上げられないが、集中力は環境次第で劇的に上がるものだ。

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⑪仕事を続けている限り、人は何度も決断を迫られ、何度も間違えます。
そこで諦めれば、「失敗」となり終わってしまいます。
しかし、粘り強く続ければ、間違いだって過程の一部となるのです。
ブラック・ジャックは、研修医の手術に立ち会った際、誤診をして気落ちする彼らをこう言って励まします。
「誤診はだれにだってあるんだ 気にするなっ!」
間違ったことを気にして立ち止まるより、苦しい状況をどう切り抜けるかが大切だからです。
「間違わない」より「諦めない」!
苦境を乗り越えた数だけ、実力も自信もつくもの。
手塚治虫も、息子に対してこんな言葉を残しています。
「大きな試練を受けろ、何度も徹底的に苦しみを味わうがいい」
失敗とは、「間違うこと」ではなく「諦めること」。
どんなに優れた人も、間違え、頭を抱え、苦しんでいる。
完璧に進むことより、どう挽回するかが勝負のポイントだ。

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⑫面倒な作業、やりたくない作業は後回しにしたくなるもの。
しかし、嫌な作業は「生もの」と一緒です。
時間が経てば経つほど状況は悪化し、手がつけられなくなってしまいます。
ブラック・ジャックは、「患者を治す」と決めたらいち早く治療を始めます。
救急車が来る前に現場で手術をしたり、ヘリで現場に駆けつけたり、とにかくスピードを第一に考えているのです。
「できる人」は「すぐやる人」!
「行動の速さ」「判断の速さ」「切り返しの速さ」さえあれば、たとえ才能が人より劣っていても、第一線で勝負できるはず。
手塚治虫も、こんな言葉を残しています。
「こっちが努力しがいのある時期に来たって思ったらもう、すぐイチ早くやるのがぼくの主義なんですよ」
「すぐやる」「すぐ切り返す」を心がけることは、周りのモチベーションを下げないためにも大切なこと。
口を動かすだけで手を動かさない、不誠実な人にはなるな。

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⑬実際にはまだ何も起きてもいないのに、不安だけが頭の中でどんどん大きくなることがあります。
それは、作業前の分析が足りておらず、自信を持てないからです。
ブラック・ジャックは手術前に、成功率を具体的な数字で周りに伝えます。
どんな手術になるか、どんな結果になるか、頭でイメージできるからです。
「分析」は「自信」の母!
彼のように、作業前に必ず自分の頭の中で分析し、想定外をできる限り潰しておくこと。
何が起きる可能性があるか、どんな課題があるかが見えてくれば、たとえ成功率が低いと分かっていても、やるべきことに集中できるはず。
一番の問題は、「やるべき作業が失敗すること」ではなく、「やるべき作業が分からないこと」なのです。
頭で作業 (分析)してから、手の作業 (実行)に移ろう。
ゴールのイメージがないまま走り出せば、
不安になるのも迷ってしまうのも当たり前だ。

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