腰痛にコルセットはあり?なし?
腰痛にコルセットは有用か。
腰痛で装具療法としてコルセットを処方されたことのある方は多いと思いますが、実は推奨度はあまり高くありません。
単に研究が進まないという理由もありますが、最新の2019年のガイドラインではエビデンスの強さはC(効果の推定値に対する確信は限定的である)でした。
コルセットを長期間していると体幹も衰えてしまいますからね。
ちなみに牽引療法、超音波療法、温熱治療も全てCです。
更に、徒手療法や鍼治療、ヨガやマッサージなどの代替療法について、海外文献を中心にエビデンスの評価を行っていますが、推奨度はD、つまり「なし」とされています。
整体やカイロプラクティックは、海外と異なり、日本では国家資格として認定されていません。
以前から一貫して代替療法を推奨するのは適切でないと考えられているようです。
ちなみに接骨院や整骨院での保険診療が適用できるのは、急性期の外傷など限られた条件のみですよ。
神経ブロックや注射療法、脊髄刺激療法などもCです。
じゃあどうすればいいのさ?
ってなりますよね。
運動療法、これはBです。推奨レベルとしては行う事を強く推奨する、となっています。
ストレッチによる柔軟性の改善と体幹のレジスタンス運動(筋肉トレーニング)、腰痛体操などは有効のようです。
そして、晴れてAを獲得したのは、急性腰痛ではNSAIDs(いわゆるロキソニンなど)、慢性腰痛ではセロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(サインバルタなど)、弱オピオイド(トラムセットやトラマール)でした。ちなみにアセトアミノフェン(カロナール)はDでした。
ドクターの今後の処方に期待しましょう。
ちなみに急性腰痛症、いわゆるぎっくり腰はドイツ語で「魔女の一撃」と言われています。
それぐらいの疼痛という事ですね。
皆さまもお大事にして下さい。