匿名医師ブログ

こんにちは!匿名医師です、現役医師(専門医取得済)による日記です。一般の方からの質問に答えているのでちょっとずつ載せていきます。http://www.freelifedoctor.com/ よろしくお願いいたします!

「新型コロナウイルス」現時点での最新知識!

新型コロナウイルス

中国・湖北省武漢市を発生源として世界各国に感染が拡大している「新型コロナウイルス (COVID-2)」による肺炎。

 

現時点で知りうる情報を詰め込みました。

症状、検査、治療、予防、全て書かれているので是非お読みください!

 


致死率はSARSの約5分の1!

SARS (重症急性呼吸器症候群、感染者数8096人)の死者数774人です。

致死率はSARSの9.6%に比べて約2%と1/5にも関わらずSARS以上の死者が出ているということは感染力は5倍以上ということです。

現時点では1人が約3,4人にうつす程度と言われています。

 

これまで6つのコロナウイルスが確認され、そのうち4つは普通のかぜ、残りの二つは感染力が強かった「SARS」と「MERS (中東呼吸器症候群)」。

今回確認された新型コロナウイルスは、これまでの調べで、飛沫感染といわれています!

いいですか、空気感染ではなく、飛沫感染です!

 

つばが飛散する1~1.5m程度の範囲の濃厚接触が原因で感染する可能性があります。

インフルエンザのように空気上に浮遊するウイルスからの空気感染はないとされています!

バスなどの密閉空間やバイキング形式の食事などは、飛沫感染の恐れがあるため注意が必要です。

 

鼻、口、目といった粘膜を感染経路とし、症状はせきやくしゃみ、37.5度以上の発熱などで、重症化すると肺炎の症状が現れます。

無症状の患者もいましたが、現時点では無症状の患者から他者へ感染するかは明確にわかっていません!

クシャミや鼻水など花粉症の症状でコロナの事は少なく、10%程度です。

健常者であれば4日以上の発熱と空咳に注意して下さい。

コロナウイルス感染者の約75%に乾いた咳(空咳)が認められます。

そして、感染力は非常に強いです。

その証拠に、中国・吉林大学眼科のCheng-Wei Lu氏らは、新型コロナウイルス(2019-nCoV)が鼻や口の粘膜だけでなく、眼からも感染し得るとのcorrespondenceを、2020年2月6日付のLancetで発表しました。
1月22日、武漢市で2019-nCoV患者の調査を担当していた国の肺炎対策専門委員会のメンバーの一人(Guanfa Wang氏)が、N95マスクを着用していたのに同ウイルスに感染したからです。

 

更には中国は病床数や医師不足が深刻で、劣悪な医療環境のため治療が追い付いていないことが死者数増加の原因と考えられています。

このため、医療環境が充実している日本で感染しても重症化することはあまりないと言われていますが、感染力は非常に強く、中でも注意すべきは、老人ホームや病院です!

これまで中国で死亡した患者は、ほとんどが高齢者や糖尿病、がんなどの持病がある人。

病院などにウイルスが持ち込まれると免疫力が低い患者は併症などを引き起こし重症化する可能性が高いうえ、集団感染の恐れがありウイルスを持ち込ませ対策が必要!

しかし遂に日本の病院で発症してしまいました。

 

当院でもプロトコルができ始めています。

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こちらは初回です。

しかし、最近は一層厳しくなりました。

まず、以下の場合に疑います。


新型コロナウイルスを疑う症例
① 37.5℃以上の発熱
② 気道症状 特に乾いた咳
③)健常者で4日以上の発熱、持病がある場合は2日以上の発熱
④ 胸部レントゲンで浸潤影なし(感染症室でポータブル撮影)
①、②、③、④かつ
㋐ 血液検査で白血球10000以下
㋑ 胸部CTで末梢にすりガラス影(CTは外来診療では不要)

(①、②、③を満たす症例は保健所に連絡、とくに呼吸苦(SpO2<93%)を伴う場合は重症例)
白血球10000以上の症例は新型コロナウイルス感染症は考えにくい。
胸部画像で浸潤影の場合は通常の細菌性肺炎を考える。
※ 現在コロナウイルス感染症より別の疾患の方が圧倒的多いことを忘れないこと。

 

これは大事です、新型肺炎の95%以上は白血球が10000以下なのです。

我々医師にとってはかなりの情報になります。

 

 

ちなみにコロナウイルスの検査は10分とかでできるとかいう噂もありますが、5時間以上かかります!

都道府県によっては1日10人ぐらいしか調べられない所もあります。

 

当院では、37.5℃以上の発熱がある場合、2日以上続く症状、空咳、呼吸苦のどれか一つでも当てはまれば感染症室での診察となります。

そのような患者は多くいるので必然と感染症室での診察は増えます。

しかし一方、今年はインフルエンザや感染性腸炎などの患者が少なく、特にインフルエンザは例年の同時期に比べ「約半数程度」減っています。

これは暖冬で空気が乾探していないことのほか、新型コロナウイルスの発生で、予防対策を徹底する人が多くなっていることが理由といわれています。

ちなみにインフルエンザの場合、日本での年間死者数は約1万人ですので、予防によって多くの命が救われていることも事実です。

未知のウイルスを恐れるのは良いですが、過剰に恐れ過ぎてもいけない!

インフルエンザやかぜ同様の対策をすれば防げます。

 

予防をすることが非常に重要!

予防策としては、手洗い・うがい、マスクやメガネの着用、アルコール消毒などです。

 (コロナウイルス対策としてはアルコールより手洗いが効果的とのことです)

マスクは最低でも1日1回交換するのが望ましいですが、数がなければ内側にティッシュなどを入れて防ぎましょう。

マスクを外す際には、ウイルスが付着する外側の表面に触れないよう注意してください!

また、適度な運動や十分な睡眠、栄養のある食事などで生活習慣を整え、免疫力を高めることも効果的ですよ。

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 2月後半の日本の状態は、1月半ばの武漢の状態のようです、今後かなりのペースで罹患者は増えていくと予想されます。

この病気は、そんなに心配することはないという意見もあるが、かなり下気道に親和性が強い。

中国でもCTを撮影していくと、臨床的に肺炎がなくても、両肺に影が出ている。

ウイルスは、上気道に親和性が強く増えるだけではなく、下気道にもすぐに落ちる。

 

エアロゾルを吸入しなくても、喉で感染したのが下気道に落ちていく。

WHOは中国からのデータを基に高齢者がハイリスクだと言っている。

日本は高齢社会でもあり、ここで頑張ってもらわないと世界中がelimination(根絶)のチャンスを逃すことになる。

踏ん張りどころですが、おそらく次のフェーズに2月末時点で突入しています。

パンデミックの可能性もかなり高くなってきており、今後は予防と対応に追われることになりそうです。

事実、病院関連の学会も少しずつ中止や延期になってきています。

外来の患者さんも減っており、しばらくは厳しい状況が続きそうですが、先ほど述べた予防対策をして、明るい未来を目指しましょう!

 

以下、更なるまとめの抜粋です。

 

 


COVID-19の臨床像
現在の疫学調査によると、COVID-19 の潜伏期間は1~14日、大抵は3~7日である。主な症状は、発熱、乾性咳嗽、倦怠感であり、鼻閉感、鼻汁、咽頭痛、下痢が認められることもある。
重症化する場合は、発症から1週間後に呼吸困難や低酸素血症を呈することが多い。重症化すると急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、ショック、代謝性アシドーシスおよび凝固障害、多臓器不全を呈し治療に難渋する。最重症患者では明らかな発熱がない場合があり、注意を要する。
軽症患者の熱は低く、軽度の疲労感のみで、肺炎は認められない。
現在の症例情報からは、COVID-19に感染しても多くの場合は予後良好であり、重症となる患者は少数と判断できる。高齢者および基礎疾患のある者が感染した場合は予後不良となり得る。小児は感染しても比較的軽症で済む。

血液生化学検査所見
発症の初期段階では、末梢血中白血球数の正常~減少、およびリンパ球数の減少が認められる。一部の患者では、肝酵素、乳酸脱水素酵素LDH)、筋酵素およびミオグロビンの増加が見られる。一部重症患者ではトロポニンが上昇する可能性がある。C反応性タンパク(CRP)および赤血球沈降速度は上昇するが、プロカルシトニンは正常である。重症例ではD-ダイマーが増加し、末梢血リンパ球は進行性に減少する。重症~最重症患者では炎症因子の上昇がしばしば見られる。


胸部画像所見
初期段階には、複数の小さな斑状陰影と間質性変化を肺野に認める。その後、両肺にすりガラス浸潤影が発生する。重症では肺陰影の癒合が見られるが、胸水の発生はまれである。


臨床分類
【軽症】
臨床症状は軽度であり、画像検査で肺炎の所見は見られない。
【中等症】
発熱、気道症状およびその他の症状により、画像検査で肺炎と診断できる。
【重症】
次のいずれかを満たす。
    •    RR>30回/分の呼吸困難
    •    安静時SpO2が93%未満
    •    P/F比(動脈血酸素分圧=PaO2)/酸素濃度=FiO2)が300mmHg未満
【最重症】
次のいずれかを満たす。
    •    呼吸不全があり、人工換気を要する
    •    ショック
    •    臓器障害を合併し、ICUでの管理および治療を要する


COVID-19の治療
1 治療環境の決定
 効果的な隔離および保護条件を備えた指定病院で治療する。疑い症例についても、隔離の上、指定の部屋で治療を行う必要がある。最重症患者は早急にICU管理を開始する。
2 治療一般
 ベッド上安静とし、支持療法を強化する。十分なカロリーを補充し、水分と電解質バランスに注意しながら、バイタルサインと酸素飽和度をモニターする。状況に応じて、血液検査、尿検査、CRP、生化学的指標(肝酵素、心筋酵素、腎機能など)、凝固機能、動脈血ガス分析、胸部画像検査を行う。鼻カニューレ、酸素マスク、経鼻高流量酸素療法などの酸素療法を適宜行う。
 使用できる抗ウイルス薬は以下の通り:
 吸入インターフェロンα(成人で500万U相当量、注射用水2 mLを1日2回追加)=国内未承認。ロピナビル/リトナビル(200 mg/50 mgを1回2錠、1日2回、10日以内)。リバビリンインターフェロンあるいはロピナビル/リトナビルとの併用を推奨、500 mg/時、1日当たり2~3回の静脈内注入、10日以内)。リン酸クロロキン(500 mg、1日2回、10日以内)=国内未承認。アルビドール(200 mg、1日3回、10日以内)=国内未承認。
 ロピナビル/リトナビルの副作用として下痢、嘔気・嘔吐、肝障害に注意する。薬物相互作用にも注意を払う。
 これらの薬剤については現在臨床試験が進行中(※編集部注:中国国内)であり、臨床応用においてさらなる評価を行う。3つ以上の抗ウイルス薬の同時使用は推奨されない。重篤な副作用が発生した場合は、関連薬の使用を中止する。
 抗菌薬治療では、複数の広域抗菌薬の盲目的または不適切な使用を避ける。
3 重症、最重症患者の治療
 治療の原則は対症療法である。合併症の予防、基礎疾患の治療、二次感染の予防、必要に応じて臓器機能の補助を行う。
【呼吸器補助】
    •    酸素療法 :重症患者には鼻カニューレまたはマスクで酸素を投与し、呼吸困難や酸素状態を経時的に評価する。
    •    高流量経鼻酸素療法または非侵襲的人工換気 :標準的な酸素療法で呼吸困難感や低酸素血症を改善できない場合に検討する。短時間(1~2時間)で改善しない、あるいはさらに悪化する場合は、気管挿管および侵襲的人工換気を適時実施する。
    •    侵襲的人工換気 :1回換気量(4~8 mL/kg)および低吸気圧(プラトー圧<30 cmH2O)を低く設定した換気を行い、人工呼吸器関連の肺損傷軽減に努める。鎮静剤および筋弛緩薬を適宜使用する。
    •    サルベージ療法 :重度のARDS患者には肺拡張を行う(1日12時間以上)。換気不良の場合、体外式膜型人工肺(ECMO)の導入を早急に検討する。
【循環補助】
 輸液で微小循環を改善する。循環作動薬を用い、必要に応じて血行動態をモニターする。
【その他の治療】
 酸素飽和度の進行性の悪化や急速な画像所見の増悪、および炎症反応の急激な上昇が見られる場合、必要に応じてグルココルチコイドを短期間(3~5日)使用できるが、メチルプレドニゾロン換算で1~2 mg/kg/日相当量を超えないものとする。グルココルチコステロイドの大量使用は、免疫抑制作用によりコロナウイルスの除去を遅延させる可能性があることに注意する。
 輸血は100 mlL/回、1日2回まで行える。腸内バランスの維持と二次感染予防のための整腸剤も使用可能である。回復患者の血漿を用いた血漿投与療法も使用可能である(※国内未承認)。重症患者で炎症反応が高い場合には透析も検討する。
 感染患者は不安感や恐怖感を抱いており、心理カウンセリングを強化する必要もある。
4 漢方治療
 「新型冠状病毒肺炎診療方案(試行第六版))」では漢方治療の記述が前版の倍以上に拡充された。詳細は上記原著を参照。
5 退院の基準とその後
 3日以上解熱状態が続き、呼吸器症状および胸部画像上の改善が認められること、1日以上の間隔を空けて2回連続採取した呼吸器検体でPCR陰性を確認することが退院の条件となる。退院後は、患者の居住地域にある主要医療機関と指定医療機関で診療記録を共有し、適宜行政や地域医療機関に情報を送る。
 退院後の患者は免疫機能が低下しており、他の感染症に罹患するリスクがあるため、退院後14日間は健康状態に注意するよう指導する。マスクを着け、換気の良い部屋で、家族との接触を減らし、食事は別とし、手指衛生を心がけ、外出を避けるなどの条件付きで過ごしてもらう。
 退院後2週目および4週目にはフォローアップ受診を推奨する。

 

 

日本感染症学会と日本環境感染学会は2月21日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染蔓延期に向けた対応と行動のポイントをまとめ、公開した(「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)―水際対策から感染蔓延期に向けて―」)。

感染対策のフェーズをこれまでの水際対策から感染蔓延期へ移行させるため、一般市民向けに共有してほしい情報と行動、および医療従事者向け対応のポイントをまとめている。


早い段階でのPCR「万能ではない」
 一般市民に向けては、COVID-19の臨床的特徴を解説した上で、症状が1週間以内で軽快しそうな場合と、1週間以上続く場合、高齢者や基礎疾患がある場合に分けて、取るべき行動をまとめている。
 依頼が殺到しているPCR検査については、新型コロナウイルスのウイルス量はインフルエンザの1000分の1~100分の1と少なく、判定が難しいこと、初回検査で陰性でも2度目の検査で陽性になることがあることを説明。特に早い段階でのPCR検査は「決して万能ではない」として、現行検査の限界に理解を求めている。


PCRは「入院が必要な肺炎例でウイルス性肺炎を疑う場合」に実施
 医療従事者に向けては、2009年の新型インフルエンザの経験を例に、「感染蔓延期を迎えると、多数の疑い患者が一度に医療機関に押し寄せる事態が生じやすくなる」と、医療提供体制が混乱する可能性に言及。
 軽症例への医療対応は、対症療法および自宅安静といったインフルエンザ外来に準じた対応を行うとした上で、現時点での検査体制では必ずしもPCR検査は必要ないことを説明するよう求めている。
 その一方、「重症例を見逃さない診療が求められる」として、特に胸部CT所見の特徴や、細菌性肺炎の合併を疑うべき所見について解説。

PCR検査については、入院を要する肺炎例でウイルス性肺炎を疑う場合や、医師が総合的に判断してCOVID-19を疑う場合に実施するよう求めている。

 

 

 

 

【#新型コロナウイルス 関連肺炎について】

よくあるご質問をはじめとする「新型コロナウイルス関連肺炎」に関する最新情報は、こちらをご覧ください。 https://mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

【電話相談窓口】

■電話: 0120- 565653(フリーダイヤル) ■受付時間: 9:00~21:00

 

 

 

 

 

 こちらは日本感染環境学会の対応ガイドになります。

https://t.co/sLpU2oQ0mn?amp=1

 

 

 

そして、幼い子供がいる家庭には朗報です。

中国でコロナウイルスで1歳以下で入院した9例についての論文。

症状は熱だったり咳だったり鼻水だったりまちまちですが、重症化した症例もなく、全員回復しています。

母数が少ないのでまだまだ分かりませんが、現時点の情報です!

https://t.co/vlLKCJNMYv?amp=1

 

 

 

 

日本は2009年の新型インフルエンザのパンデミックの際に最も人が死亡しなかった先進国。踏ん張れ日本!!!

 

 

新型コロナウイルス感染症まとめ - Yahoo! JAPAN

 
片手を上げて喜ぶ男性インフルエンザのように空気上に浮遊するウイルスからの空気感染はないとされています! バスなどの密閉空間やバイキング形式の食事などは、飛沫感染の恐れがあるため注意が必要です。