超高効率の細菌べん毛モーター!大阪大学大学院理学研究科!
身近な細菌の多くが、高効率のモーターによって動くことをご存じだろうか。
この自然界の回転機構の魅力に取りつかれ、研究を続けるのが大阪大学の今田勝巳教授だ。
細菌には表面にべん毛と呼ぶらせん状の線維があり、それをスクリューのように回転させて動く(下図参照)。
直径は約45nm(ナノは10億分の1) と極小だが、モーターの力は非常にパワフルで、毎秒約300~1000回転にも及ぶ。
そのエネルギー源は細胞の外から中に流れるイオンで、エネルギー効率は何とほぼ100%。
これが、爆発的な細菌感染を引き起こす力の源でもある。
そうして感染する際、細菌は粘液中や宿主の細胞表面など粘性が高い場所を移動する。
このとき、べん毛モーターは水中より高く出力する必要があるが、そのパワーアップのア
イテムとなるのが、「FliL」と呼ばれるタンパク質だ。
今田教授は今年3月、このタンパク質の構造や機能の仕組みを世界で初めて明らかにした。このままべん毛モーターの作動原理の解明が進めば、先々ではこれまでにない超高効率の微小モーターや、医療用途のセンサーの開発などへの応用が期待できるという。
キーワード 細菌べん毛モーター
代表者 今田勝巳教授
資本金 1859万円(科学研究費、2017~19年度、代表研究者は法政大学の川岸都朗教授)
5年後の可能性 べん毛モーターが内部にイオンを流す仕組みを解明する。
すげ!